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ぶどうの収穫からワインが出来るまで <後編>

さて、前回の記事の続きです。
先日の「仕込み」から10日ほど経った頃一度グラツィアーノに連絡を入れてみたんですが、その時はまだ完全に発酵が終わってないということで、結局次の作業に取り掛かれたのは2週間後、10月最初の日曜日でした。


a0207108_594531.jpgグラツィアーノの家に着くなり、いきなり作業開始。
(↑もしかして待たせてた?)
ぶどうが発酵する時はブクブクと音がするそうで、先日電話した時はまだこの音が完全に止んでなかったとのこと。ガスの放出もまだ続いていたそうです。
でも今は発酵が終わっているせいかとても静か。
前回の説明通り蓋がタンクの中にピッタリと収まっています。さあいよいよ蓋が開けられます。ドキドキ。。

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蓋が開けられました!→→→
相変わらず潰れたぶどうの匂いが鼻を突きます。
ぶどうの皮や軸など不要な部分を取り出しやすくするために、まずは液体(ぶどう汁)だけを先に取り出します。
右の写真は機械を使い、ホースで液体を隣のタンクへ移しているところです。ホースはぶどうの入ったタンクの下部に取り付けられていて、それが隣のタンクの上に続いています。


a0207108_194789.jpg←こちらはDamigiana(ダミジャーナ)と呼ばれるワイン用の大瓶です。
グラツィアーノが子供だった頃はこのようにホースで液体を移動させる装置などなく、じょうごを使ってこのダミジャーナに少しずつぶどう汁をこしていたとのこと。床いっぱいぶどう汁でべちゃべちゃになり、作業をするみんなもべちゃべちゃ。。機械を使うと汚れる事もなくあっという間ですが、当時は一日がかりの大仕事だったそうです。

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液体(ぶどう汁)を取り出す作業が終了しました。
今度はあとに残ったもの(ぶどうの皮、実、軸など)を取り出し、いよいよ搾り機にかける作業が始まります。
写真左・・タンクの下部にある取り出し口を開けているところ。そぉ~っと開けないと一気にこぼれ出て危険です。
写真右・・下に溜まった残り物を手で取り出しているところ。奥の方は手が届かないので木の棒などを使います。

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さあ、いよいよ搾り機が登場して参りました。イタリアではStrettoio(ストレットイオ)と呼ばれるものです。
なんと木製!見るからに年季が入ってます。昔ながらの感じでいい味出てますねぇ。

写真左・・先ほど取り出した残り物を搾り機の中にどんどん入れていきます。大きなバケツ何杯分もあります。
写真中央・・全てを入れ終わったら表面を平らにならします。
写真右・・次に木の蓋を被せます。蓋は真ん中で二つに割れていて、それを一枚ずつ置いていきます。

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写真左・・蓋を置いたら次はその上に木のブロックを置いていきます。
写真中央・・なるべく同じ太さの木を選びながら、積み木のように正確に重ねていきます。
写真右・・木のブロックが積み終わりました。こうして木を積み重ねていくのは搾りが進むにつれ、上部の回転盤が下へ下へと降りていくからです。最初にある程度の高さを保っていないと、回転盤が樽の中に入り込んでしまい途中から搾れなくなります。まだ搾りは始まっていませんが、既に搾り汁が出始めていますね。
この搾り汁もホースを使って先ほどぶどう汁を移した方のタンクへと送り込まれていきます。

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写真左・・いよいよ搾り作業が開始されました。ヴィー、率先してお手伝い(←ただ自分もやりたかっただけ)。
回転盤に棒を設置し、それをボートを漕ぐような要領で前に後ろにと動かしていきます。

写真右・・回転盤には縁に沿って穴がいくつも並んでいますが(写真撮るの忘れました、ごめんなさい)、そこに刺さっている金具が棒を動かすごとに隣の穴にずれていき、回転盤が回るしくみになっています。
棒を動かすときは慎重にやらないと、この刺さっている金具が機械から外れてしまうので注意が必要です。
また、搾り機の足部分は動かないように地面にしっかりと固定されています。

私も搾り機の棒を動かしてみました(←やっぱりやってみないとね)。思ったより力が要ります。
搾る作業も中盤にさしかかってくると最初に比べてより力が必要なんですが、最後の方は搾りカスがかなり密になってくるので棒を動かすのが本当に大変。ここまでくるともう男手でないと難しいです。

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写真左・・搾り作業が終わりました。積み重ねていた木のブロックがだいぶ下の方へ下がっています。
写真右・・木のブロックを全て取り出したところ。蓋からはみ出してるものも本当は全部搾らないといけないそうですが、今回はそのままです。

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a0207108_7375015.jpg←搾り汁が流れていた部分に何やら白っぽい物が沈殿しています。
これはGruma(グルマ)と呼ばれるもので舐めると渋い味がするそうですが、胃や肝臓に悪影響を及ぼすものらしく、口にしてはいけないそうです(体内にそのまま残ってしまうとのこと)。

下の写真は搾り機のボディ部分が半分外されたところ。
圧縮された搾りカスの状態がよく分かります。ここでは手作業でしたが、大規模農場では大型機械を使って一気に圧縮するそうです。

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この搾りカス、今回はオリーブ畑の肥料と化しましたが、本来は二つのものに再利用することが可能です。

その1・・Acquerello(アクエレッロ)。搾りカスに水を加えてつくる度の低いワイン(4~5度)。
     気温が上がってくると不味くなってしまうため、飲めるのは2~3月までとのこと。

その2・・Grappa(グラッパ)。ぶどうの搾りカスを発酵させてできたアルコールを蒸留したもの。
     通常、無色透明でアルコール度数は40度以上とかなり高め。イタリアのポピュラーな食後酒。

グラツィアーノは何とこのグラッパもつくれるらしく、来年はもしかしたらグラッパづくりが紹介できるかも?です。

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a0207108_1856785.jpg←こちらはMosto(モスト)と呼ばれる発酵前のぶどう汁。
前日に収穫したばかりのぶどうをお隣さん(グラツィアーノのお兄さん)から頂いたものです。実と汁だけで軸は入っていません。
これを一体何に使うかのかというと、、、
この日一番最初にタンクから取り出したぶどう汁と先程のしぼり汁を合わせたものの中に入れるんです。ぶどう汁は約2週間かけて一旦発酵が終わりましたが(第一次発酵)、次は不要物(搾りカス)を取り除いた状態でもう一度発酵させなければなりません(第二次発酵)。このモストは収穫したばかりのぶどう汁なので今から盛んに発酵が始まります。
いわゆる発酵促進剤の役割を果たし、これを加えることで次に始まる第二次発酵をより活性化させるわけです。(入れる量は全体の1~2%)

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左にあるのは本日収集したぶどう汁、そして右にあるのは去年同じようにつくられたワインです。
色や透明度が全然違います。こうして比較するとその違いがよく分かりますね。そして見た目だけでなくやはり味も異なり、濁っている方のぶどう汁はかなり強い渋みを感じます。こちらは現時点ではTorbo(トルボ)と呼ばれ、まだVino(ヴィーノ/ワイン)ではありません。これから第二次発酵を経て最低3ヶ月の熟成期間を終えるとやっと「Vino/ワイン」になるんです!

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「自分で飲むワインを自分でつくる」、、なんかこういうことができるのっていいですよね。本当にうらやましい。
小規模な農家では必要な装置や設備を備えている所が少なく、実はこのように自力でワインをつくるのは珍しいんだそうです。普通はConsorzioやCooperativaと呼ばれる共同組合が運営する場所で行うとのこと。
ワインを大量につくっている大規模農場になるほどいろんな設備が整っているのが一般的で、醸造から瓶詰め、ラベル貼りに至るまで全て自分たちで行うのだそうです。

今年は収穫前の約2ヶ月間ほとんど雨が降らず特に8月は暑い日が続いたせいか、例年に比べ豊作だったとのこと。収穫の時期も少し早かったようです。グラツィアーノは2年前に新しいぶどうの木をたくさん増やしたそうで、来年はそれらが実をつけ始め、収穫量は今年の3倍以上になる見込み。次は黒ぶどうと白ぶどうをちゃんと分け、白ワインもつくるそうです。

帰り道、ヴィーが自分もぶどう畑を持ちたいと言ってました。(←影響されやすい人)
3ヵ月後のお正月明けには今年つくったワインが味わえます。どんな風に出来上がるのか今から楽しみ~♪

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by girasole7 | 2011-10-17 07:15 | ワイン・オリーブオイル | Comments(0)