ダヴィデ像で有名なアッカデミア美術館のそばに
"Santissima Annunziata サンティッシマ・アンヌンツィアータ"という名の広場があります。この広場は同名の教会や捨て子養育院美術館があることで知られていますが、その他にもう一つ、知る人ぞ知る地元でちょっと有名なものがあります。
それは
『いつも開いている窓』。
この窓のある建物は
"Palazzo Grifoni Budini Gattai パラッツォ・グリフォーニ・ブディーニ・ガッタイ"。
広場からDuomoドゥオーモの方を見ると、道をはさんで二つのPalazzoが建っていますが、問題の建物は右側、レンガ造りの赤茶色の方となります。
その「窓」はPersianaペルシアーナと呼ばれる日よけで閉められていますが、よく見ると下の部分が一部開いているのが分かります。なんと、その部分は何世紀も前からずぅ~~~っと開いたままなんです!!
なぜずっと開いたままなのか・・・
それにまつわる古い言い伝えがあります。その言い伝えとは・・・
*** *** ***
むかしむかし、、、
あるとても美しく若い娘がグリフォーニ家へお嫁に行きました。彼女は夫を心の底から愛し、それはそれは幸せに暮らしていました。しかし、二人の幸せは何ヶ月と続きませんでした。
夫グリフォーニ氏が、他の貴族たちとともに戦場へ赴くこととなったからです。
別れの日、武装し馬に乗った彼は家紋を掲げ仲間とともに去っていきました。
娘は例の「窓」から涙ながらにそれを見送りました。
それ以来、彼女は刺繍などをしながら一日の大半を窓のそばで過ごすようになりました。
そしてときどき広場に目を向けては、夫の帰りをじっと待っていました。
時は過ぎ、彼についての知らせは一向に届かず。。。
さらに悪いことに巡礼者や商人が運んでくる戦についての噂も決して良いものではありませんでした。
しかし彼女は悲嘆することなく窓の外の様子を見ながら待ち続けました。
何年もの月日が流れていきました。彼女はとうに若い娘ではなくなっていました。
日が経つにつれ彼女は少しずつ諦めるようになりましたが、しかし窓のそばを離れることはありませんでした。そこにいると短くも幸せだった夫との日々を思い出すことができたからです。
さらに時は過ぎ、彼女はもはや年老いた老婆となっていました。
彼女のお気に入りの時間は、相変わらずその窓から外を眺めることでした。
広場では子供たちが戯れ、商人たちは柱廊の下で商いをし、農民たちは荷車を引いて市場へ向かう...
窓の外にはそんなありふれた日常の世界がありました。
しかし彼女の記憶の中にはいつも、「軍旗を掲げ武装した騎士たちが出発していく...」
そんな映像が残っていました。。。
・・・・・・・・・
...そして彼女はその部屋で亡くなりました。
彼女の亡き骸を運び出す時、ふと誰かがその窓を閉めようとしました。
すると、部屋の中で大混乱が発生!!
本は宙に舞い、家具はグラグラ揺れだし、ランプの灯りは勝手に消え、絵は次々と床に落ち...
彼女の遺族は皆大変な恐怖を覚えました。
そして先ほど閉めようとした窓をまたすぐに開け放ちました。
...と、全てが落ち着き部屋の中はまた元の平静な状態に戻った、ということです。。。
それ以来、その「窓」は常に開いたままとなっているそうです。
彼女の魂がいつでも広場を眺めることができるように。。。
*** *** ***
現在その広場の中央には一体のブロンズ製の騎馬像があります。
よく見るとその騎馬像は右斜め上方を見上げています。
そしてその視線の先には→ → → → → → → → → → → → → →
そう、
あの「窓」があるんです!本当に!!
まるで自分帰りをずっと待っていた愛する妻に、
「今帰ったよ。」
と告げているかのよう!!
じ~~ん、、勝手に感動。。。(*TωT*)
話はまだつづきます、、、ではまた明日。
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